もうすぐとり壊される下北沢食品市場
この優しい薄暗がりの路地と引き換えに、明るく平らに整地されたバスロータリーになるという
今ここに人々がいて
暮らしがあって
湿度と熱と詩がある
想いは寄りどころを無くした祈りにも似ていて、
「もーすぐ無くなっちゃうんだよな」
コの字型のカウンター、マスターを真ん中に みんな笑いながらお酒呑んでるけど、圧し殺しても伝わってくるやるせなさ
オレンジの光、年期の入った油の染みた茶色い壁、飾ってあるみんなからのプレゼントの絵や何年も前に誰かが書いてくれたお品書き、
こんな今がぜんぶ思いでになる
高江、辺野古、桜坂、
大きなちからの前に呑み込まれていく小さなまち
世界中 どこにでもある 物語
ささやかな私たちの暮らし
私たちの 住んでいる 世界